イジュ人工林の7~8齢級時の林分構造の把握及び密度管理手法の検討

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抄録

イジュ(Schima wallichii (DC.) Korth. Subsp. noronhae (Reinw. ex. Blume) Bloemb)は、ツバキ科の常緑高木で、沖縄本島北部地域では、イタジイに次ぐ資源量を有し、やんばるの森を代表する樹種の一つである。広葉樹としては、比較的通直で成長も早く、大径木になることから、用材生産を目的として本島北部地域を中心に、造林事業において広く植栽されている。そのような中、復帰後造林した7~8齢級のイジュ人工林においては、現地確認の結果、林冠が閉鎖する等、間伐が必要な時期に到達していると考えられることから、本島北部地域の県営林において平成30年度に、県営林造成事業により、試行的に間伐を開始したところである。しかし、本県では、広葉樹人工林についての密度管理基準が策定されておらず、適正な密度管理手法が示されていないことが課題となっている。一方、既往の研究としては、3齢級時のイジュ人工林の除間伐基準の検討、7齢級時のイジュ人工林の除間伐基準の検討の事例があるが、調査・解析に用いた林分の数が限られることから、イジュ人工林の林分構造を十分に把握できているとはいえず、造林事業において、それらの研究成果で示された除間伐基準をそのまま利用することは難しい状況にある。そこで、本研究では、間伐の時期に到達していると考えられる、7~8齢級のイジュ人工林を対象に、林分構造の把握を行うとともに、適正な密度管理の手法について検討を行った。

収録刊行物

  • 研究報告

    研究報告 (61), 5-8, 2020-03

    沖縄県森林資源研究センター

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