経膣採卵を利用した体外受精卵生産システムの確立

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優良牛からの受精卵採取は過剰排卵処理による体内受精卵の採取が一般的である。しかし、採卵成績の不良なもの、あるいは頻回採卵、加齢などによって正常受精卵が回収できなくなった供卵牛も多く、これら優良牛から効率よく後継牛を作出するため、経腟採卵を用いた体外受精卵の生産システムについて検討した。 1超音波誘導経腟採卵はホルスタイン種8頭から、延べ207回行い、シングルルーメン短針での卵子の回収は1回あたり3.31個であった。 2体外受精により1回あたり1.26個の移植可能卵が生産され、PCR法による性判別後、雌卵を30頭の受卵牛に新鮮卵移植し、受胎率は56.7%で10頭の雌産子が生産され、3頭が妊娠中である。 3体内受精卵の採卵成績が不良な供試牛から体外受精卵が生産され、総数では体内受精卵の採卵数を上回る供試牛もみられた。以上のことから、経腟採卵での体外受精卵の生産は体内受精卵採卵成績の不良な牛からの受精卵確保技術として有効であった。

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