肝硬変診断法としての5'-Nucleotide phosphodiesterase (5'-NPD) isozymeの意義

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  • Significance of Isozymic Patterns of 5'-Nucleotide Phosphodiesterase (5'-NPD) in Liver Cirrhosis

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各種疾患において5'-Nucleotide phosphodiesterase (5'-NPD) isozymeのパターンを検討した。5'-NPD isozymeは陰極側よりIからVと命名されているが,正常者ではIII, IVのバンドが総活性の80%以上を示し,バンドIVがバンドIIIより大きく,かつ両バンド共,鋭利な形を示していた。一方,肝硬変症ではバンドIII,IVの高さが低く,しかもバンドIVはバンドIIIより小さく,バンドIIIの陰極側はなだらかな広がり(tailing)をもつ形を示していた。このtailing率を算出すると肝硬変症21.9±7.3%であるのに比べ正常者11.0±2.6%,慢性肝炎14.3±4.5%と有意に肝硬変症でtailingを示した。又tailing率は血清γ-globulin,cholinesteraseとも相関はうすいが,経時的にも変動が少ないことより,5'-NPD isozymeの形は肝硬変症の診断に有力な手がかりとなり得る検査法と思われる。

収録刊行物

  • 北里医学

    北里医学 15 (5), 281-285, 1985-10-31

    北里大学

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