ヒキガエルの生態学的研究 (V) 繁殖期における出現と気象条件との関係について

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タイトル別名
  • Ecological Studies of Bufo bufo japonicus SCHLEGEL : (V) The Relation between Appearances and the Climatic Conditions at Breeding Season

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説明

1.東京都港区の自然教育園において, 1974年〜1977年の4年間繁殖期におけるヒキガエルの生態調査を行ない, 繁殖行動と気象要因との関係を考察した。2.本園での繁殖期は2月下旬〜3月上旬であり, 繁殖行動は1週間前後観察される。しかし, 1977年は, 2月下旬と3月上旬に2〜3日の短かい活動が2回観察された。3.繁殖期に出現するヒキガエルの個体数は約200〜350個体が記録されたが, 調査が不十分なためかなり少なく見積られていると考えられる。出現個体の雄と雌の性比は1977年を除いてほぼ3 : 1であった。4.繁殖行動は夜間に多く観察されるが, 人為的影響の少ない場所では日中でも抱接し産卵している個体が観察された。5.繁殖個体の出現日と気象要因との間には, 最低温度の上昇との関係が見られるが, 降雨とは関係がなかった。特に, 深さ5cmの最低地温が6℃以上になると出現する傾向が認められた。6.ヒキガエルの繁殖行動が最低地温の上昇によって誘発される理由として, 上昇後の気象要因が幼生の発育成長に有利に働く可能性が大きいことを示唆した。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1573105976787014272
  • NII論文ID
    110004312818
  • NII書誌ID
    AN00103849
  • ISSN
    0385759X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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