僧帽弁形成術後人工腱索に発症した感染性心内膜炎の再発症例

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タイトル別名
  • A Recurrent Case of Infectious Endocarditis after Mitral Valve Repair

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僧帽弁形成術後に人工腱索に発症したと考えられる感染性心内膜炎の再発例を経験した.症例は36歳,男性.1998年12月感染性心内膜炎,僧帽弁前尖の腱索断裂による4度の僧帽弁逆流と診断され約2ヵ月の内科的治療ののちに人工腱索を使用した僧帽弁形成術を行い良好に経過していた.2000年2月感冒様症状を契機として僧帽弁前尖に疣贅の形成を伴った感染性心内膜炎を再発し,疣贅の塞栓による脳梗塞を併発するなど急性に増悪を示した.感染は化学療法にて鎮静化したが,弁破壊による僧帽弁逆流が出現し再手術を施行した.初回手術時人工腱索を縫着していた前尖の部位に強い炎症所見と穿孔を認めた.炎症が広範囲であったため人工弁置換術を行った.感染性心内膜炎では,起炎菌の同定や抗生剤の有効性,脳合併症の有無,弁や支持組織の破壊進行の程度などが治療方針の決定および予後の改善に大きく影響する.また本症例では基礎疾患に免疫機能不全の存在も疑われた.

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