急性期における統合失調症患者家族アセスメントツールの考案

書誌事項

タイトル別名
  • Creation of Tools for Assessment of Families of Schizophrenia Patients in the Acute phase

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背景 国内の精神病院では急性期病棟(短期入院病棟)が定着しつつある。統合失調症を発症した患者を、短期間の入院で早期の退院に繋げるためには、入院時から患者の地域社会における支援者である家族へのケアが重要となる。しかし、急性期における家族に対するケアの確立は不十分な状況にある。目的 精神科病院において急性期の患者家族に必要なケアを考察することを前提に、精神科に勤務する看護師に急性期の患者家族の状況や気になる家族についてインタビューし急性期の家族アセスメントツールを作成した。方法 精神科に5年以上勤務する看護師10名に対し、急性期の家族の状況、看護師として気になる家族等について、インタビューを実施した。その内容を逐語録にし、質的な分析を試みた。結果「看護師から見た急性期の家族の状況」からは家族の状況を示す内容として、70のフレーズを抽出し、最終的には九つの中位カテゴリーへと分類することができた。また、「看護師から見て気になる家族」を示す内容として、54のフレーズを抽出し、最終的には九つの中位カテゴリーへと分類することができた。さらに、その結果から、家族の対処状況からの視点と、家族の資源や認知からの視点で捉える二種類のアセスメントツールを考案した。結論 急性期の家族の状況を基に考案したアセスメントツールは、入院時から家族が示す反応を捉えながら、ケアの対象となるのか否かを判断していくものであり、精神科や家族へ対応の経験が浅い看護者であっても、アセスメントがしやすいと考える。また、気になる家族を基に考案したアセスメントツールは、問題となるポイントに焦点を当てたものであり、早期より看護の介入を見据えたアセスメントが展開できると考える。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1573105977125600640
  • NII論文ID
    110006198594
  • NII書誌ID
    AA11960281
  • ISSN
    13492721
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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