大豆種子の熟度と発芽能力との関係

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1. 大豆種子の熟度及び収穫後の処理方法が種子の特性と発芽能力に及ぼす影響を知るために試験を行った。2. 収穫時における種子の長さ,巾,厚さ,生重は何れも開花後50日で最大となるが,乾重は65~70日目まで増加する。水分含量は,開花後日数の経過とともに減少するが,開花後70日目から急減する。3. 開花後60日目以前に収穫した場合は,草本のまま追熟させると,100粒重が増加し,圃場の収量試験では,追熟させた場合には,開花後50日以後の収量は,完熟期のそれと有意な差は見られない。4. 熟度と収穫後の処理の異る同一品種の種子では,充分乾燥させたときの種子の厚さと,長さの比が,発芽能力の判定に役立つものと考えられる。5. 30℃恒温器の発芽試験によると,収穫後直ちに置床したものでは,開花後55~60日で完全な発芽歩合を示し,草本のまま追熟させると発芽能力は甚だしく向上する。未熟種子の高温乾燥は発芽を害するが,草本のまま低温処理をしても,発芽力の低下は小さい。6. 低温過湿の土壌による発芽試験の結果から,熟度と収穫後の処理の影響が更に明らかに認められた。7. 種子の脂肪含量は,種子の高温乾燥,及び草本の低温処理にあっては開花後50日で,草本で追熟させたときは40日で,完熟期と変らない脂肪含量を示した。8. 種子の蛋白質含量は,種子の高温乾燥をした場合は,開花後75日まで漸増するが,草本の追熟及び低温処理後の追熟は,ともに開花後35日から高い含量を示し,発芽能力は蛋白質含量と密接な関係があると考えられる。

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