家畜における火山灰摂取の影響について

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抄録

1. 火山灰を体重の0.15,0.10,0.05%の量で43日間摂取しても各群の平均体重の変化は認められなかった。また火山灰性土壌を体重の0.05%量で17日摂取しても体重の変化は認められなかった。2. 飼料の消化率にたいする火山灰摂取の影響は少なかった。3. 火山灰摂取後37日目から41日目までの5日間の飲水量にたいする火山灰摂取の影響は認められなかった。4. 火山灰の摂取による排糞の異常は認められなかったが,排糞量は乾草を給与した場合にやや増加する傾向を示した。5. 43日間火山灰を摂取した場合には,赤血球数は火山灰接種後10日前後で減少し始めた。火山灰接種後42日目で赤血球数を無摂取群と比較すれば,195~270万の差を示した。また赤血球数の回復日数も体重の0.05%の火山灰摂取群では10日間,0.15%群では26日間で正常に近い値を示した。摂取日数も短く,摂取量の少ない場合は回復日数も短い傾向を示した。6. 火山灰とともに粗飼料として青草を給与した場合は乾草を給与した場合よりも赤血球数の減少する傾向が大であり,その回復もおそい傾向を示した。7. 火山灰性土壌を体重の0.05%量で17日間摂取しても赤血球の変化は認められなかった。8. 血清総蛋白量は火山灰摂取後7日目位まで増大し,日数の経過とともに火山灰摂取中でも正常値に近づく傾向を示した。9. ヘモグロビン量は火山灰性土壌摂取試験における測定では接種量および接種日数による影響は示されなかった。

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