<原著>「二重分節」の意味するもの : 類人猿にとって
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- 清水 研明
- 川崎医療福祉大学医療福祉学部医療福祉学科
書誌事項
- タイトル別名
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- On Double Articulation : In Terms of Ape Language Research
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説明
言語の「経済性」, すなわち, 有限数の音素から数十万の形態素を, さらにその形態素からほぼ無限数の文をつくりだすことが可能なのは, 自然言語が「二重」に「分節」されているからである.チンパンジーを中心にした類人猿に手話や人工言語を習得させるプロジェクトにおいて, この「二重分節」に言及されることが多い.「二重」に「分節」された手話や人工言語を使って語や文を産出しているのだから, 類人猿達の「言語」にも経済性がみられる, といった評価が一般的である.しかし, 類人猿達の産出する語や文はタイプの数が限られており, 人間のそれとは比較すべくもない.本論では, 「二重分節」という構造を持つシステムの習得が, 「経済性」の発現を必ずしも保障しないことを論じる.
収録刊行物
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- 川崎医療福祉学会誌
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川崎医療福祉学会誌 2 (1), 25-31, 1992
川崎医療福祉大学
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1573387451618699136
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- NII論文ID
- 110000478908
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- NII書誌ID
- AN10375470
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- ISSN
- 09174605
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles