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中枢性めまいに対する臨床神経生理・解剖学的アプローチ : 特にめまいの大脳皮質局在について
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目的:脳神経外科領域ではめまいは大切な訴えであり精査の結果、脳幹・小脳病変がしばしば発見されることはよく認識されている。しかし中枢性めまいの中でもテント上病変に随伴するめまい自体の局在診断的価値は未だ確立されていない。今回我々はめまい、めまい感の大脳皮質局在と臨床的意義について検討した。対象と方法:過去2年間で当科で経験しためまい、めまい感を主訴とし、かつ神経放射線学的検査にてテント上病変が認められた症例を対象にして、病変の種類、部位について検討した。さらに難治性てんかん患者11名で外科的治療を目的とし、頭蓋内電極の埋込みが行われた症例を対象に、大脳皮質電気刺激による症状を観測してめまい、めまい感が誘発される皮質部位について検討した。結果:めまい、めまい感を主訴あるいは主訴の一つとして来院した患者35名中、5例に大脳半球病変を認めた。病変の種類としては脳腫瘍4例、脳出血後の変化1例で、右半球病変が3例、左が2例であった。この5例の主病巣と浮腫をあわせた病変は側頭一頭頂葉あるいは側頭葉一島部に進展していた。今回の検討ではテント上病変でのめまいはdizzinessが多く、側頭葉および頭頂葉に病変の首座は多い傾向にあった。頭蓋内電気刺激では11例中4例で身体浮遊感、立ちくらみ感、吸い込まれる、血の気がひくなどのめまい感、めまい関連症状が誘発され特に海馬、海馬傍回の関与が示唆された。またこれらとは別にめまい感を主訴に来院した2症例でテント上の脳血管狭窄がみつかった。これは頭頂後頭葉など分水嶺近くに位置するめまい中枢の虚血のためとも考えられた。結論:今回の結果からはテント上病変に関連するめまいの訴えでは、ふらつき、立ちくらみ感がほとんどであった。まためまい感を主訴にテント上の脳血管狭窄が発見されたことから、テント上においても脳虚血のスクリーニング検査の基準の一つにめまいという訴えは無視できないと思われた。
Journal
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- Journal of UOEH
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Journal of UOEH 24 (1), 98-, 2002-03-01
The UOEH Association of Health Sciences
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1573387451636748416
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- NII Article ID
- 110001260206
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- NII Book ID
- AN0009832X
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- ISSN
- 0387821X
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- CiNii Articles