ヌードマウス可移植性ヒト腎細胞癌による治療実験の研究 : 第4報 ベンズアルデヒド誘導体単独,および放射線との併用治療実験
書誌事項
- タイトル別名
-
- TREATMENT IN ESTABLISHED HUMAN RENAL CELL CARCINOMA HETEROTRANSPLANTED IN NUDE MICE : 4. Experimental Treatment with Benzaldehyde Derivative and Combination Therapy with Irradiation
この論文をさがす
説明
ヌードマウス可移植性ヒト腎細胞癌株(JR-C11)を用いて,ベンズアルデヒド誘導体である,4・6-0-Benzylidene-D-glucopyranose(BG)投与による抗腫瘍効果および放射線との併用治療効果について検討した.BG単独早期投与では,腫瘍移植後3日目よりBGを25mg/kgおよび50mg/kg,1日1回28日間連日腹腔内投与したが,対照群に比較していずれの投与群も腫瘍増殖曲線上(T/C比)および組織学的変性の程度(grade)ともに有意に抗腫瘍効果が認められた.しかし,BG単独晩期投与では,腫瘍移植後31日目,移植腫瘍重量が平均623mgに達した時点でBGを25mg/kgおよび50mg/kg,1日1回,連日投与したが,腫瘍増殖曲線上(T/C比)も,組織学的変性(grade)も,対照群に比較してまったく抗腫瘍効果が得られなかった.BGおよび放射線併用治療では,腫瘍移植後31日目,移植腫瘍重量が平均712mgに達した時点で,放射線を10Gy,1回局所照射した後BGを25mg/kgおよび50mg/kg,1日1回,55日間連日腹腔内投与したが,放射線単独治療群に比較して,腫瘍増殖曲線上(T/C比)有意の抗腫瘍効果が得られ,かつ宿主であるヌードマウスの延命効果も得られたが,組織学的変性の程度はgradeIIと有効ではたかった.従って,腫瘍が発育腫大した後のBG単独投与は無効であるが,放射線との併用で,抗腫瘍効果が得られ,かつヌードマウスの延命効果が得られたものと思われた.
収録刊行物
-
- 日本泌尿器科學會雜誌
-
日本泌尿器科學會雜誌 77 (4), 594-599, 1986
社団法人日本泌尿器科学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1573387452150065920
-
- NII論文ID
- 110003058186
-
- NII書誌ID
- AN00196577
-
- ISSN
- 00215287
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- CiNii Articles