病院間のプライバシ保護データ連携による地域医療連携体制の評価フレームワーク

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説明

医療資源の効率的な配分と利用は,とりわけ医療における構造的な問題を抱える国々にとって重要な課題となっている.これを背景に,地域における包括的な医療提供体制としての地域医療を確立する取り組みが,多くの国で注目を集めている.そのような医療体制では,地域に位置する医療機関が個々の機能や専門性を活かしながら相互に連携し,地域住民に質の高い医療サービスを提供することが求められる.これまで,各機関の生産性向上のための施策として,診療記録を電子的に取り扱うシステムが広く利用されるようになってきた.しかし,その運用によって蓄積される膨大な医療データは,地域医療の現状を評価し,把握するために十分利用されているとは言い難い.これは,従来の医療データの利用形態において,詳細な診療記録を患者のプライバシを脅かさずに病院間で共有することが困難であったことが要因となっている.そこで本研究では,地域医療の評価に注目した医療データの分析フレームワークを提案する.提案手法は情報理論的安全なマルチパーティ計算をベースとしており,医療データを各保有機関に分散したまま利用可能とすることで,詳細な診療記録を分析することに対する患者のプライバシ懸念を低減できる.本稿では,実際の医療データを用いた提案手法の評価に向けた,現状の課題とそれに対する対処法についても検討する.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1573387452675674496
  • NII論文ID
    110009632350
  • NII書誌ID
    AN10112482
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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