治療に難渋した頭部Ⅳ度熱傷の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Scalp Burn Involving the Calvaria and Difficulty in Treatment: A Case Report

説明

 広範囲にわたる頭蓋骨深達・感染続発の頭部熱傷を経験し, 感染源が頭蓋骨腐骨起因であることの診断, 頭蓋骨のデブリードマン, 肉芽形成に難渋したが, 創閉鎖・救命を成しえた症例を経験したので報告する. 症例は79歳, 男性, 頭頸部中心のⅢ度熱傷, TBSA 24%と初期評価され, 同日に手や頭部等の特殊部位をのぞくTBSA 20%焼痂に対する緊急デブリードマンを実施した. 第5病日に頭部の残存焼痂感染が顕在化し全身状態悪化し, 第7病日に頭部のデブリードマンを行った. 骨膜壊死と頭蓋骨の露出を認め, 頭部のⅣ度熱傷と再評価した. その後肉芽化の進行なく同部感染を繰り返したため頭蓋骨が感染源, 腐骨化していると再評価し, 手術にて頭蓋骨外板を削り, 板間層を露出して人工真皮貼付した. その後追加で創閉鎖を行い, リハビリテーション目的に第224病日転院となった. 熱傷が頭蓋骨まで深達し感染源となっている場合, 早期の壊死骨デブリードマンが有用である.

収録刊行物

  • 熱傷

    熱傷 47 (4), 147-152, 2021-11-15

    一般社団法人 日本熱傷学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390008597681787008
  • NII論文ID
    130008116455
  • DOI
    10.34366/jburn.47.4_147
  • ISSN
    24351571
    0285113X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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