甘藷新品種"サツマアカ"について

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説明

1. 来歴 本品種は昭和28年農林省九州農業試験場指宿試験地において,関東33号×オキマサリの組合せで交配された種子を,翌29年熊本県農業試験場甘藷斑紋バイラス病隔離圃場において実生し,その後九州農業試験場鹿児島試験地,同作物第2部(熊本)に移し,選抜試験を重ね,育成されたもので,昭和34年九州35号なる系統名を附し関係各県農業試験場に原種決定試験用として配付し,地方適合を検討した。昭和36年5月甘藷農林25号として登録され,"サツマアカ"と命名された。2. 特性 育苗は容易である。藷の皮色は赤紅で外観よく,形状は短紡錘形で大きさは中である。澱粉歩留は農林2号程度で藷収量は同程度かややそれを上廻る。ネグサレセンチュウに強いのが特長である。黒斑病に対する抵抗性は中位である。3. 適地 西日本暖地畑作地帯に広く適するが,早掘ならびに晩植適応性は低いので,これらの栽培には適さない。しかしながら少肥でもよく生産力を発揮するので軽鬆な火山灰土や砂土,とくにこれらの地帯でネグサレセンチュウ被害常習地帯の原料用兼食用品種として有望である。

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