小児の持続緩徐式血液浄化法の工夫と問題点

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【目的】体外循環による小児の血液浄化は報告例が少ない。当院で治療した症例の条件や問題点について報告する。【対象】性別:男児5例、女児2例、年齢:生後3日〜3才、体重:1075g〜18kg(10kg以上:2例、3kg以下:5例)【方法および結果】血液浄化装置はACH-10、ACH-07、TR-520、DBB-22、血液浄化器はAPF-01D、RA-03H、血液回路は小児用回路を用いCHD、CHF、CHDFを施行した.Blood Accessは6.5〜7Fr.Dual-lumen catheter、ECMO回路、大腿動静脈、上腕動脈等を使用。当初、回路内を血液で充填し送・脱血回路を同時に接続していたが、治療開始時に血行動態が悪化した。そこで、回路内を血液で充填後、電解質等の補正のため15分程度透析を行い、さらに回路内を陽圧にし送・脱血回路を同時に接続することで患児からの血液の逆流を防ぎ、血行動態の悪化を予防出来た。治療条件は患児の体重・病態に応じ血流量5〜30ml/min、透析液流量50〜1000ml/h、ろ過量50〜500ml/h、除水量0〜100ml/hで行った。脱血不良・回路内凝固が問題となったが、最長で29日間CHDF可能だった。【結論】小児用の浄化器・回路を使用し若干の工夫をすることで、新生児も成人と同様体外循環による持続血液浄化は可能である。しかし、成人用装置を使用するため制限があり、今後小児専用機器が望まれる。

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