循環器疾患の家族歴の有無からみた成人病検診データの検討

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高血圧症,脳卒中及び狭心症・心筋梗塞の家族歴を有する場合には,危険因子(肥満,糖尿病,高脂血症,運動不足,飲酒及び喫煙)が集積しやすいといわれている。そこで本研究では予防医学的観点から,循環器疾患の家族歴の有無により,どのような検診データに差がみられるのかを,循環器疾患の内服治療をしていない35〜63歳の健常な男子224名の検診データを用いて検討した。分析の結果,循環器疾患の家族歴の有無により測定値に差がみられたのは尿酸,血糖,最小血圧,γ-GTP,LDH,脈拍数,中性脂肪及びヘマトクリットであった。これらの検診頃目は,いずれも前記の危険因子と密接な関連を有していた。よって,循環器疾患の家族歴を有するものでは,とくに日常の生活環境要因(食生活,運動,飲酒及び喫煙習慣など)の是正を通して,検診データの改善を図るよう努めることが,予防医学的立場からとりわけ重要であるように思われる。

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