飲酒・喫煙習慣と平均赤血球容積(MCV)との関連
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説明
貧血や肝障害がなく比較的栄養状態が良好な場合でも,飲酒者では何らかの機序を介して平均赤血球容積(MCV)が増大することがこれまでの研究報告より知られている。一方,MCVの増大に喫煙が関与しているとする報告もある。そこで本研究では、大同生命大阪診療所の成人病検診を受診した35歳以上の男子255名の成績を基に,飲酒と関係の深いγ-GTPをMCVと対比させつつ,喫煙習慣を考慮のうえMCVと飲酒の関連について検討した。分析の結果,喫煙習慣を考慮してもなお,飲酒はMCVと有意な正の関連を示した。貧血や肝機能障害がないにもかかわらず,一日当たり日本酒換算で2合以上の多量飲酒者では,ほとんど飲酒しない者に比べて喫煙の有無を問わずMCVが有意に大きかった。また,MCVはγ-GTPに劣らず飲酒と強く関連していた。以上より,断面的調査の範囲内ではあるが,飲酒の指標としてのMCVの有用性が示唆された。
収録刊行物
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- 日本保険医学会誌
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日本保険医学会誌 90 314-319, 1992-12-15
日本保険医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1573668926739651328
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- NII論文ID
- 110004697605
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- NII書誌ID
- AN00197853
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- ISSN
- 0301262X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles