古代染色の化学的研究: 第3報古代黄藥染について

抄録

黄環 Phellodendron amurense Ruprecht は本州,北海道,中国北部,朝鮮およびウスリー,アムールに亘って湿潤の土地に自生するヘンルーダ科の落葉喬木である.樹皮の外部は厚いコルク質で,その内側に黄色の皮部があり黄膚(キハダ)の名がある.この皮部の粉末は漢薬であり俗に黄柏(おうばく)と称して苦味健胃薬とする.キハダの粉末を煎じた汁を煮つめたカラメルは古風の胃薬「陀羅尼助」であり,ダラスケと呼ぶ.キハダの黄色々素は水溶性で,繊維や皮類をよく染めるから古来より天然黄色染料として賞用されている.

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