紫式部と藤原宣孝

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説明

紫式部と藤原宣孝の結婚生活の軌跡を、紫式部集の歌の理解に新見を加えつつ、追っていくと、結婚後まもなくから宣孝の夜離れが生じ、新妻紫式部は妻の一人として位置をどこに定めたらよいのか戸惑っている様子がうかがわれるが、夫に自己を開示できぬままに宣孝との齟齬は深まっていった。しかし、紫式部はそれに押しつぶされるわけではなく、夫の死を契機に自己とその境遇を客体視するようになり、生命的活力を源氏物語の執筆に繋げていった、と理解される。

収録刊行物

  • 京都語文

    京都語文 (10), 52-81, 2003-11-29

    佛教大学国語国文学会

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