胸膜炎,肺炎,肺癌例における胸水および血清C-reactive protein

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タイトル別名
  • Serum and Pleural Fluid C-reactive Protein in Patient with Pleuritis, Lung Cancer and Pneumonia

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説明

肺癌群21例,癌性胸膜炎群19例,結核性胸膜炎例と膿胸などを合わせた腫瘍以外の胸膜炎(その他の胸膜炎群)16例,肺炎群21例の合計77例を対象として,血清および胸水のC-reactive protein (CRP)を定量法により測定しその臨床的有用性を検討した。血清CRP値は,肺癌群のlog(CRP)sが他の3群に比較して有意(p<0.01)に低く,癌性胸膜炎群のlog(CRP)sはその他の胸膜炎群より有意(p<0.05)に低かった。胸水CRP値は,癌性胸膜炎群がその他の胸膜炎群に比較してやや低い値を示したがその差は有意ではなかった。胸水CRPとLDHの比を表すlog(CRP)p/(LDH)pは癌性胸膜炎群がその他の胸膜炎群に比較して有意(p<0.01)に低かった。胸水のCRPは血清CRPより低い値を示し,血清のCRP値と胸水のCRP値との間には有意(p<0.01)な正相関が認められた。胸水CRPは血清CRPを反映しており,病変部位から直接胸水中に放出されたものの比率が大きい胸水LDHと組み合わせた指標は臨床的に有意義であると考えられた。

収録刊行物

  • 北里医学

    北里医学 22 (1), 148-154, 1992-02-29

    北里大学

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