北海道農業の実質利子率と総合生産性

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抄録

日本農業は,マクロの視点で見れば総産出が減少傾向にあり,絶対的縮小局面にある。米をはじめとする農産物全般に対する総需要の停滞,さらに,農産物輸入の増大による食料自給率の低下は,そのことを端的に物語っている。これを生産要素の側面から見れば,農業生産に投じられる担い手労働力と農地の減少を意味している。日本農業をマクロの視点から見ると脆弱性が危惧されているが,ミクロの視点,つまり個別経営について見た場合はどうであろうか。果たして日本農業は,マクロ的にもミクロ的にも衰退の一途を辿っているのであろうか。本稿は,「農家経済調査」を用いて個別経営(ミクロ)の視点から,日本農業の中でも個別経営の規模拡大が進展した北海道農業を対象として,1961年から2003年までの43年間の総合生産性(Total Factor Productivity: TFP)を推計する。

収録刊行物

  • 農業経営研究

    農業経営研究 (160), 55-60, 2014-07

    全国農業構造改善協会

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