前立腺肥大症(BPH)に対する拡張バルーン療法の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Benign Prostatic Hyperplasia Treated by Transurethral Balloon Dilation

この論文をさがす

説明

全身性合併症を有するBPH(前立腺肥大症)2例とTURP(経尿道的前立腺切除術)を希望しないBPH8例の計10例に対し11回の前立腺部尿道の拡張バルーン療法を施行した。バルーンダイレーターは75Frenchのサイズで最大拡張径30mm,長さ5cm,最高耐圧4気圧のを使用し,手技は硬膜外麻酔と局所麻酔下で経尿道的にバルーンダイレーターを前立腺尿道部に挿入し,2.5〜3気圧で10分間拡張した。治療成績は,3か月以内で10例中4例に排尿障害の改善があり,改善のなかった1例はTURPを施行し,もう1例は2か月後再度拡張術を施行したが症状の改善はなかった。他4例は経過観察中である。symptom scoreとpeak flow rateの両者は3か月後に改善し,残尿率は1か月後に改善し,3か月後に悪化し,6か月後にまた改善していた。前立腺拡張バルーン療法は合併症もなく,1日の入院ですむ簡単な治療法であるが,治療効果に満足した患者は,1年後で8例中3例(37.5%)であり,長期の効果がえられない欠点があった。

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ