ヒスタミン H_2 受容体拮抗剤と抗ガストリン剤の併用投与が有効であった Zollinger-Ellison 症候群の1例
書誌事項
- タイトル別名
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- A Case of Zollinger-Ellison Syndrome Successfully Managed With Histamine H_2-Receptor Antagonist and Anti-gastrin Agent
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説明
我々は Zollinger-Ellison 症候群にヒスタミン H_2 受容体拮抗剤と抗ガストリン剤を併用投与し,症状の改善をみた1症例を経験したので報告する。症例は61歳の女性で下痢,嘔吐を主訴に入院した。血液検査で血中ガストリン値は 2700pg/ml と異常高値で,セクレチン負荷テストでも血中ガストリン値の上昇をみた。また,胃液検査でも胃液分泌量は著しく増加していた。さらに上部消化管造影で十二指腸第二部に潰瘍を認め,Zolhnger-Ellison 症候群と診断したが,検索した範囲でガストリノーマの合併は認められなかった。入院後,潰瘍からの出血で貧血が進行したが,ヒスタミン H_2 受容体拮抗剤投与後止血し,貧血は徐々に改善した。しかし,頑固な下痢が続いたため抗ガストリン剤を追加投与したところ,下痢はみられなくなった。以上より,ヒスタミン H_2 受容体拮抗剤のみでは効果が少ない場合や副作用のみられる場合に抗ガストリン剤の併用を考慮すべきであると考えられる。
収録刊行物
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- 北里医学
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北里医学 18 (2), 197-202, 1988-04-30
北里大学
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1574231876693683968
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- NII論文ID
- 110004693635
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- NII書誌ID
- AN00052147
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- ISSN
- 03855449
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles