舟状骨結節周囲皮膚への動脈血管走行の検討 : Medialis pedis flapの栄養血管解剖

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  • Surgical Anatomy of Arteries Running in the Skin on Tuberosity of the Navicular Bone : Feeding arteries of medialis pedis flap

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説明

【目的】Medialis pedis flapの挙上をより安全確実とするために,その挙上部位である舟状骨結節部周囲皮膚に分布する内側足底動脈皮枝の走行について保存屍体と新鮮切断下肢を用いて観察し検討を加えた。【対象と方法】保存屍体19体33足を用いて,内側足底動脈から舟状骨結節への皮枝(以下皮枝)の有無,血管走行様式,血管分岐部の位置とその距離,そして舟状骨結節への皮枝数と血管径について検討した。新鮮切断下肢1肢を用いて皮枝に色素注入を行い,血行支配領域を確認しこれと臨床例から皮弁挙上範囲を検討した。【結果】皮枝は33足全例で確認できた。血管の走行は内側足底動脈からの分枝が舟状骨結節付近を経て末梢に向かうもの27足と,内側足底動脈から数本の枝が平行に舟状骨結節に向かう6足の2つの走行形式を認めた。皮枝数は平均2.2本,皮枝血管径は平均1.2mmであった。内・外側足底動脈分岐部から舟状骨結節までの距離は平均48mmであった。色素注入所見では舟状骨結節部を中心に85×65mmの範囲で染色され,臨床例では最大5×10cmの皮弁が挙上できた。【結論】内側足底動脈から舟状骨結節への皮枝は全例で存在し,茎長が約5cm,吻合血管径1.2mm,皮弁サイズ約6×7cmの遊離皮弁が安全に挙上できると考えられた。Medialis pedis flapの栄養血管は内側足底動脈内側枝浅枝と結論された。本研究により日本人における足内側部の動脈血管解剖が明らかとなった。

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