超高齢の偶発性低体温症に対しVA–ECMOにより復温し救命し得た1例(Life–saving VA–ECMO rewarming in the oldest old with accidental hypothermia: a case report)

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説明

<jats:title>要旨</jats:title><jats:p> 偶発性低体温症(accidental hypothermia: AH)により難治性心室細動を来した超高齢者に対し,補助人工心肺であるVA–ECMO(veno–arterial extracorporeal membrane oxygenation)を用いて救命し得た。症例はADL(activities of daily living)良好な90歳の女性。某年3月,浴槽内で意識障害の状態を発見され救急要請となった。当院搬送時,血圧41/26mmHg, 心拍数 37/分,呼吸数 6/分,膀胱温 24℃と高度低体温症で,ブランケットによる復温を開始した。心室細動を来し電気ショックで洞調律に復調したが,その後も心室細動となり難治性心室細動と判断した。超高齢だがADLを考慮し,家族に説明してVA–ECMOにより復温,および体外循環の確立を図る方針とした。導入後,復温したのち心室細動は収束した。翌日にVA–ECMOを離脱,第3病日に人工呼吸器を離脱した。その後,全身状態良好で転院した。体外循環式心肺蘇生法は難治性かつ可逆性の心停止に有効で,AHでVA–ECMOによる復温が奏功した報告は多い。一方,AHは高齢者に多く,超高齢者に侵襲的な中枢加温の導入は一般的に難しい。しかし,超高齢でも蘇生条件とADL次第で,難治性心室細動を伴うAHの循環不全に対して体外循環式心肺蘇生法を検討する必要がある。</jats:p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1873398392541028096
  • DOI
    10.1002/jja2.12637
  • ISSN
    18833772
  • データソース種別
    • OpenAIRE

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