セルロース系バイオマスの酵素糖化プロセスにおける酵素使用量低減と糖化機構に関する研究
書誌事項
- タイトル
- セルロース系バイオマスの酵素糖化プロセスにおける酵素使用量低減と糖化機構に関する研究
- タイトル別名
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- Studies on Saccarification Mechanism of Cellulosic Biomass for Enzyme Loading Reduction in Enzymatic Hydrolysis Process
- 著者
- 上野, 義基
- 著者別名
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- ウエノ, ヨシキ
- 学位授与大学
- 九州工業大学
- 取得学位
- 博士(工学)
- 学位授与番号
- 甲第341号
- 学位授与年月日
- 2019-03-25
説明
食糧と競合しないセルロース系バイオマスを原料としたバイオエタノールやバイオケミカルの普及のためには、バイオマスの主成分であるセルロースを高効率でグルコースに糖化する技術が必要である。セルロースの糖化技術として微生物が生産した酵素による酵素糖化プロセスの研究が進められているが、酵素コストが課題となっている。本研究では、酵素の機能を最大限に発揮できる酵素糖化プロセスを開発することを目的として、バイオマスの糖化機構を把握するための検討を行った。各章の概要を以下に記載した。第1章は研究の背景と目的、第2章は実験方法を述べた。第3章では、振とうストレスを与えない静置条件で糖化反応を行うことによって、少ない酵素使用量でセルロースを効率的に糖化できることを示した。また、セルロースの効率的な糖化にセロビオハイドロラーゼであるCBH2が重要な役割を果たしていることを述べた。一方、リグニンを含むバイオマスの糖化に対しては、静置条件の効果が見られなかったことから、代替策として、BSAなどを添加することによって酵素糖化が促進されることを示した。セルロースとバイオマスに対する静置条件による効果の違いを第6章で考察した。第4章では、リグニンのモデル物質としてグラファイトを用いた検討結果を示した。強い疎水性を示すグラファイトを用いて検討を行った結果、BSAとTween80は疎水性相互作用による酵素の非生産的吸着を抑制することができ、その機構として、グラファイトに吸着した酵素を脱離する機能を有することを述べた。第5章では、市販セルラーゼから分画した精製酵素を用いて、セルロースおよびバイオマスに対する酵素の相乗効果に関する検討を行い、セルロースにはCBH2、リグニンを含むバイオマスにはEG1が、それぞれCBH1と強い相互作用を示すことを述べた。
目次
2023-08-05 再収集
2023-10-11 再収集
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1910020910733452672
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- NII論文ID
- 500001343404
- 500001343365
- 500001877038
- 500001351935
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- HANDLE
- 10228/00007207
- 10228/00007165
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- IRDB
- NDLサーチ