近世琉球における御用布の研究 -歴史資料と実物資料の統合化による研究方法を基軸として-

Bibliographic Information

Title
近世琉球における御用布の研究 -歴史資料と実物資料の統合化による研究方法を基軸として-
Author
宮城, 奈々
University
University of the Ryukyus
Types of degree
博士(学術)
Grant ID
甲第58号
Degree year
2024-03-19

Description

近世琉球の御用布に関する研究は、主に実物資料を対象とする原料・文様・構造・技法・色材に関する染織史と民間伝承および文献史料を対象とする租税制度下の貢納布に関する研究史が積み重ねられている状況である。筆者の専門領域である実物資料研究を伴う染織史においては、目視で得られる色や形だけではなく、製作年代、製作地、製作者、製作目的等の歴史背景が重要な指標となる。しかしながら、専門領域に関する研究データは蓄積されているものの、歴史背景の指標となる関連歴史史料の分析及び歴史史料と実物資料との検証・照合については研究の余地が残されている状況である。本研究は、現存する御用布関係実物資料の歴史背景について文献史学の手法を援用し史料分析を行い、実物資料分析データと比較検討し、御用布をめぐる時代性、注文製作の実態、御用布の受容、製作者の技術と労働について考察することを課題とする。第1章「近世琉球における御用布製作の規定について」では、御用布製作の単位、規定についてついて検討する。第2章「近世琉球における御用布の注文製作のしくみ」では、初期、中期、後期に分けて、御用布の注文が届いてから上納までのしくみについて検討する。第3章「御用布注文史料の分析」では、文書原本を整理した注文書の分析データに基づき、注文書の依頼主と用途、絵形と注文者について検討する第4章「歴史資料と実物資料の統合研究」では、第1章で分析した歴史資料のデータを使用し、「ふどき目」と実物資料「筬目」の比較研究、注文書資料と御絵図資料の照合研究を行う。

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