怒りと悪の表象と源流-飛鳥、奈良、平安初期の世界像と邪悪表現の多義性の研究

研究課題情報

体系的番号
JP18H00630
助成事業
科学研究費助成事業
資金配分機関情報
日本学術振興会(JSPS)
研究課題/領域番号
18H00630
研究種目
基盤研究(B)
配分区分
  • 補助金
審査区分/研究分野
  • 小区分01060:美術史関連
研究機関
  • 九州大学
研究期間 (年度)
2018-04-01 〜 2023-03-31
研究課題ステータス
完了
配分額*注記
17,030,000 円 (直接経費: 13,100,000 円 間接経費: 3,930,000 円)

研究概要

本課題は仏教への過渡的帰依者たる異人を表象する邪鬼や蛮族及び須弥山コスモロジー等に関する研究である。殊に薬師寺金堂薬師三尊像と関西地方における関連作品を対象とし、新たな着眼点として本尊台座表徴を人型・ハイブリッド神・四神をイデオロギー枠に分析した。 その成果はハーバード大学ライシャワー日本研究所での古代日本における帝国的制度と仏教美術表象に関する草稿に結実した。 さらに法隆寺・大安寺・薬師寺等、白鳳から奈良時代初期の寺院における思想と芸術表象の変化また前世紀の古墳壁画との関連を考察し、ハーバード大学等欧米著名大学及び神戸大学等でワークショップや招待講演を行い、日英仏語論文として広く発信した。

本研究課題は、古代の世界観が造形におけるモチーフやコスモスケープ(本研究では、この語を造形的に表現された世界観という意味で用いる)を通して表現されていることを検証した。中でも、仏教寺院における須弥山のような世界観の表象と機能について、7~8世紀の日本で制作された台座を例に邪悪表見とその援用に関連する表象などの観点から分析した。また、薬師寺薬師如来像台座の図像分析を通じ、周辺と中心、宗教・支配者・臣民の関係など、帝国的イデオロギーとのかかわりを明らかにした。これらの研究成果は、日本古代宗教史の総合的解釈のための基盤を築き、古代仏教史、日本書紀、ヤマト王権に関する新しい論点を開拓するものである。

関連論文

もっと見る

関連研究データ

もっと見る

関連図書・雑誌

もっと見る

関連博士論文

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

関連その他成果物

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

ページトップへ