上皮系細胞から上皮間葉転換(EMT)誘導を応用した歯胚形成
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18H03009
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
- 研究課題/領域番号
- 18H03009
- 研究種目
- 基盤研究(B)
- 配分区分
-
- 補助金
- 審査区分/研究分野
-
- 小区分57070:成長および発育系歯学関連
- 研究機関
-
- 東北大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2023-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 17,290,000 円 (直接経費: 13,300,000 円 間接経費: 3,990,000 円)
研究概要
歯は上皮と間葉系細胞との相互関係により形成される。しかし、上皮細胞から間葉細胞を誘導する上皮間葉転換(EMT)を応用すれば、上皮系の単一細胞で器官の発生が可能となる。我々は以前の研究で、Sox21欠損マウスがEMTを誘導する事を発見した。そこで、本研究では、硬組織形成におけるEMTのメカニズムを解析する。 まず、Sox21陽性細胞を探索したところ、T, B細胞で発現していた。そこで、Sox21の発現を抑制したリンパ球とマクロファージを共培養したところ、破骨細胞分化が促進された。この事から、Sox21の欠損がEMTを起こす反面、破骨細胞分化を促進し、骨形成不全様症状を引き起こすことが判明した。
本研究ではSox21を欠損させることにより、骨形成が抑制された。そのため、Sox21が骨粗鬆症の改善に貢献する可能性がある。また,Sox21はヒト13番染色体に位置する。13q欠失症候群のうち、Sox21が存在する13q32部が欠損すると重篤化する事が知られており、知的能力障害、成長遅延や癌化リスクの上昇が報告されている。そのため、本研究結果は13q欠失症候群における病態解明にも寄与すると考えられる。