ホールスラスタにおける異常輸送現象の解明
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18H03815
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
- 研究課題/領域番号
- 18H03815
- 研究種目
- 基盤研究(A)
- 配分区分
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- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 中区分24:航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
- 研究機関
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- 九州大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2022-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 45,110,000 円 (直接経費: 34,700,000 円 間接経費: 10,410,000 円)
研究概要
ホールスラスタの推力電力比向上を阻害する電子の異常輸送に関して、異常輸送の物理機構解明のために、プラズマ揺動と異常輸送の関係を調査した。ある特定のプラズマ揺動は乱流の様相を示し、この揺動が放電電流と相関関係があることを明らかにした。さらにこの揺動は電離不安定性とも非線形結合していることが明らかになった。並行して数百Hzの低周波揺動も観察され、この低周波揺動がプラズマの乱流を抑制することを示唆された。並行して、これまで困難であったホールスラスタ内部のプラズマ諸量計測のために、ピコ秒レーザー診断法を開発し、その優位性を示した。本手法により、異常輸送と揺動間の定量的な関係解明に貢献する。
本研究の最大の成果はホールスラスタの異常輸送にはこれまであまり注目されてこなかったプラズマ乱流が影響していることを実験的に示したものであり、異常輸送を抑制し、推力電力比向上にはこのプラズマ乱流の制御が鍵となることを示したことである。この成果をさらに発展させ、プラズマ乱流の物理機構を解明することで、異常輸送の抑制が可能になり、推力電力比90 mN/kWを超えるホールスラスタ開発への道が開ける。このホールスラスタは宇宙利用コストの大幅な削減を通して安全安心社会の構築に貢献する。