高血糖曝露により生じる胎児の左右軸形態異常に関する分子機構の解明
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- 北島 桂子
- 研究代表者
- 九州大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18K07880 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 18K07880
- 研究種目
- 基盤研究(C)
- 配分区分
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- 基金
- 審査区分/研究分野
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- 小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
- 研究機関
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- 九州大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2023-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 4,420,000 円 (直接経費: 3,400,000 円 間接経費: 1,020,000 円)
研究概要
高グルコース濃度に曝露された8.0日胚の原始結節では、NodalとCerl2の発現が低下しており、この要因がノードにおける活性型NOTCHの減弱によることを見出した。8.0日胚の原始結節周囲のNOTCHの発現に必要なWnt3aのシス解析を行って、2カ所の原条エンハンサー(PSE1, PSE2)を特定した。CRISPR-Cas9法によりPSE1に点変異を導入したマウスを作出したが、Wnt3aの原条での顕著な発現低下は見られず、ホモ個体も生存可能であった。
糖尿病は先天異常を引き起こすリスク要因であり、形態学的には妊娠7週までに糖尿病による先天異常が生じると考えられている。疫学調査によって糖尿病による胎児の左右形態異常が裏付けれており、実験的には糖尿病モデルマウスの胎児にヒトと同様の左右形態異常が発生することが報告されているが、その発生機序については未だ不明である。我々の研究成果は、妊娠糖尿病が左右軸関連の先天異常発生を引き起こす要因を特定することで、エビデンスに基づいた妊婦への血糖管理や栄養指導に役立てることが可能となる。