CCR4-NOT複合体はmRNAの合成、翻訳、及び分解に至る広範な分子制御に寄与する重要な遺伝子発現調節因子である。同複合体のCNOT6LはmRNAポリ(A)鎖分解、すなわち脱アデニル化を介し細胞内mRNAの発現量を調節することで知られるが、マウスにおける心臓圧負荷ストレスに対しCNOT6Lタンパク質の発現量が増加することが分かった。このことからCNOT6Lによる遺伝子発現制御が心不全病態の進行の抑止に働くことが予想されるため、本研究ではCNOT6Lの標的遺伝子やその作用機序を明らかにすることで、心不全病態の進行に関与する分子メカニズムの解明を目指す。