閉経後の女性は、骨密度の低下による骨折リスクや体重の増加による糖尿病や心血管障害のほか、乳がんなど女性特有のがんの発症リスクが上がることが報告されている。NF-kB inducing kinase(NIK)の遺伝的機能欠失型変異マウスは骨吸収が抑制されて大理石骨病を呈することから、NIKの阻害剤が新たな骨粗鬆症の治療薬になる可能性がある。確かに、新規NIKの阻害剤を卵巣摘出マウスに投与すると、骨量の減少、内臓脂肪の増加による体重増加も抑制された。本研究では、エストロゲン欠乏による骨量減少と体重増加に、NIKが『共通制御分子』であることを想定し、その分子制御機構を明らかにする。