小径線維ニューロパチー(SFN)は、神経障害性疼痛を主症状とし、その約半数は原因不明(特発性)で、しばしば難治である。近年、欧米諸国からは特発性SFNにおける自己抗体の存在が報告されており、感覚神経を標的とした自己抗体が特発性SFNの主要な原因である可能性が示唆されている。本研究では、特発性SFNにおいて自己抗体を測定し、陽性例の臨床的特徴を明らかにし、自己抗体を用いたSFNモデル動物の作成を行い、薬剤による感覚ニューロン活性化阻害の鎮痛効果を評価する。これにより、特発性SFNにおける自己抗体の関与を明らかにし、既存の免疫療法に加えて、分子標的治療薬を用いた新規治療法の開発につなげる。