骨粗鬆症の発症には、加齢や女性ホルモンの減少に加え、食習慣や栄養バランスの乱れが関与しているが、骨粗鬆症と我々の食行動を司る味覚の関連性は未だ不明な点が多い。味覚は、単においしい、まずいという感情を引き起こすだけでなく、摂食行動の調節や栄養摂取センサーとしての機能ももつことから、骨粗鬆症における味覚の変化が栄養摂取状態を悪化させ、さらなる骨脆弱性を招く可能性がある。本研究では、大規模住民健診における骨代謝と味覚検査データを用いた疫学的な検証から、骨粗鬆症モデル動物の味覚機能に関連する行動や細胞レベルまでの包括的な解析を行う。これにより、骨粗鬆症と味覚異常の関連性とその分子機構の解明を目指す。