免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は多くのがん種において有効性が示されているが、長期効果が得られる症例は限定的である。また腎細胞がんでは、抗腫瘍免疫応答の主体であるCD8+T細胞の腫瘍局所浸潤が予後不良と関連していることが知られており、その原因は不明であった。申請者は、腎細胞がんの一つのサブタイプおいて、活性化Treg細胞と末期疲弊型CD8+T細胞の豊富な浸潤が共存することを発見し、これが予後不良やICI抵抗性に寄与する可能性を示唆している。本研究では、腎細胞がんにおけるTreg細胞主導の免疫抑制機構を解明し、バイオマーカーと新規治療ターゲットの同定を目指す。