環境DNAを用いた森林葉食性昆虫の天敵微生物のモニタリング技術の開発
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- 鎌田 直人
- 研究代表者
- 東京大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP17H03826 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 17H03826
- 研究種目
- 基盤研究(B)
- 配分区分
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- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 生物系 > 農学 > 森林圏科学 > 森林科学
- 研究機関
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- 東京大学
- 研究期間 (年度)
- 2017-04-01 〜 2021-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 15,860,000 円 (直接経費: 12,200,000 円 間接経費: 3,660,000 円)
研究概要
森林土壌中の菌類群集は空間変異が大きい。昆虫病原性糸状菌類は森林昆虫の重要な天敵を含むが、多くが土壌中に生息しており大発生時を除くと情報が少ない。、環境DNAの手法を用いて、土壌中の昆虫病原菌のモニタリング手法を開発することを目的とした。3種の手法で、土壌量をキットのレシピに合わせた0.4gと、より網羅的に菌のDNAを捕捉するために土壌を増やした15gからDNAを抽出し、次世代シーケンサーによるアンプリコン解析を行った。予想に反して、抽出に用いる土壌量が少ないほど菌類OTU数が多くなった。今回の結果からは、少ない土壌試料を多数サンプリングすることがベストの戦略であることが示された。
目にみえない土壌中に生息する菌類のモニタリング手法として環境DNAを用いた次世代シーケンスによるアンプリコン解析の手法開発を検討した。抽出に用いる土壌量を増やすことにより菌類DNAをより網羅的に捕捉することを目指したが、予想とは逆に、少ない土壌量の方がより網羅的な抽出が可能であった。これは土壌量を増やすと腐植酸などの影響により抽出が阻害されることが原因の一つと考えられた。実際にこれまでも、同様の視点から大量の土壌を使ったDNA抽出技術の開発が行われてきたが、本研究の結果は、これらの研究に一石を投じるものである。