承認をめぐる間主観性の発達に関する研究
-
- 高田 明
- 研究代表者
- 京都大学
-
- 川島 理恵
- 研究分担者/共同研究者
- 京都産業大学
-
- 橋弥 和秀
- 研究分担者/共同研究者
- 九州大学
-
- バーデルスキー マシュー
- 研究分担者/共同研究者
- 大阪大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP17KT0057
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
- 研究課題/領域番号
- 17KT0057
- 研究種目
- 基盤研究(B)
- 配分区分
-
- 基金
- 審査区分/研究分野
-
- オラリティと社会
- 研究機関
-
- 京都大学
- 研究期間 (年度)
- 2017-07-18 〜 2022-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 18,590,000 円 (直接経費: 14,300,000 円 間接経費: 4,290,000 円)
研究概要
本研究では,子どもが他者からの承認を通じて責任を達成していく仕組みを分析することを通じて間主観性が発達する文化的過程,特に以下の3点について明らかにした:1.子どもと養育者が行動のどの側面をどう調律するのかを明らかにし,原初的な承認を可能にする身体的,感情的な相互理解が構成される過程を論じた;2.子どもが他者からの承認を通じて行為の責任を達成する際に言語の文法的特徴がどう働くのかを明らかにし,養育者-子ども間相互行為において言語がどう身体化されていくのかを論じた;3.子どもがその社会に特徴的な慣習を身につける過程を明らかにし,それに対する承認が社会的な制度を内面化するために果たす役割を論じた.
1.現在隆盛している承認論は,その発達段階に関する根拠をHegel哲学や乳児研究の古典に求めている.本研究を通じて,乳児~幼児期に渡る最新の発達研究に基づいて,そうした承認論の基礎をなす個体の承認に関する議論をより精緻化・拡張すると共に,その理論的な基盤を再考することができた. 2.発達研究では,乳児期以降の間主観性の発達やその文化的多様性についての議論が十分でない.本研究を通じて,様々な文化的・生態学的環境で子どもが間主観性を発達させる仕組みを明らかにすることで,従来の議論を相対化し,乳・幼児期における間主観性の発達を統合的に論じることができた.