ゲノム情報を用いたハブ毒タンパク質の包括的多様性および進化過程の解明
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18H02498
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
- 研究課題/領域番号
- 18H02498
- 研究種目
- 基盤研究(B)
- 配分区分
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- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 小区分45030:多様性生物学および分類学関連
- 研究機関
-
- 九州大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2022-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 17,290,000 円 (直接経費: 13,300,000 円 間接経費: 3,990,000 円)
研究概要
沖縄本島、小宝島、西表島産個体の全ゲノムアセンブリを取得し(先進ゲノム支援による)、金属プロテアーゼなどの毒液タンパク質遺伝子族で、集団間でクラスター構造が異なることを見出した。また14島計150個体のmtDNA配列を取得し集団遺伝学的解析を行い、ハブの集団構造には地理的要因が強く影響することを示した。また、9島47個体の毒腺のRNAseqで、集団間で有意に発現量の異なる遺伝子を同定したが毒液タンパク質遺伝子はほぼ含まれていなかった。一方毒液の2D解析では、集団間で発現パターンの明確な違いが観察された。そのため毒液タンパク質発現の集団間の差異は、翻訳/修飾レベルで生じている可能性が示唆された。
本研究計画で行った複数集団のハブの全ゲノム、毒腺トランスクリプトームおよび毒液プロテオーム解析から、毒液タンパク質発現の集団間多様性は、遺伝子クラスター構造の差異によって生じることに加えて、翻訳/修飾レベルでも生じている可能性が示唆され、既報告の加速進化や選択的スプライシングに加えて(Shibata et al. 2018; Ogawa et al. 2019)、毒液タンパク質の多様化をもたらす新たな機構と考えられた。さらに、集団遺伝学的解析のために取得した14島からの計150個体についてのmtDNAの変異情報は、今般の「奄美・沖縄」の世界自然遺産登録後の環境保全に資する基盤的データとなった。