側頭骨扁平上皮癌の網羅的組織解析に基づく新規統合的治療戦略の開発
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18H02951
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
- 研究課題/領域番号
- 18H02951
- 研究種目
- 基盤研究(B)
- 配分区分
-
- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
- 研究機関
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- 九州大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2023-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 17,420,000 円 (直接経費: 13,400,000 円 間接経費: 4,020,000 円)
研究概要
本研究では、微小外科解剖解析を絡めた臨床統計解析、さらに網羅的遺伝子解析を行い、多角的に予後因子および発癌や癌進展に関与する候補遺伝子の同定を試みた。臨床統計解析では、耳小骨破壊が予後不良マーカーであることを見出した。更に、翼突筋、後頭蓋窩硬膜、S状静脈洞への進展が重要な予後不良因子として明らかとなった。また、全身炎症性マーカーも有意に予後不良と相関していた。また、網羅的遺伝子解析では、TP53変異を始めとした遺伝子変異を検出できた。また、ZDHHC11BとTARPのDNAコピー数増幅によって過剰発現し外耳道癌の進展に関与する遺伝子である可能性が示唆された。
側頭骨原発扁平上皮癌に対する治療戦略の確立は、その希少性から他の頭頸部癌と比較して遅れているのが現状である。我々は、本研究において、微小外科解剖解析を絡めた臨床統計解析、さらに網羅的遺伝子解析を行い、多角的に予後因子および発癌や癌進展に関与する候補遺伝子の同定を試みた。解剖学的な予後因子の同定し、全身炎症性マーカーと予後との相関を報告、さらには、世界で初めて、側頭骨扁平上皮癌のGenomic landscapeを世界で初めて明らかにした。さらには、これまで樹立されなかった、側頭骨扁平上皮癌の細胞株の樹立にも成功した。これらの研究成果は、今後の側頭骨扁平上皮癌研究の基盤を形成できたものと考える。