患者由来直接誘導ニューロン・グリア細胞による精神神経疾患の病態解明:橋渡し研究
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18H04042 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 18H04042
- 研究種目
- 基盤研究(A)
- 配分区分
-
- 補助金
- 審査区分/研究分野
-
- 中区分52:内科学一般およびその関連分野
- 研究機関
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- 九州大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2022-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 44,200,000 円 (直接経費: 34,000,000 円 間接経費: 10,200,000 円)
研究概要
本研究では様々な精神疾患患者から疾患モデル細胞としてiMG細胞及びiN細胞を作製し、生きた細胞でしか評価しえない項目を測定し、臨床症状との相関解析などにより、疾患特異性を検出し、ダイナミックな細胞レベルでの病態解明を進めてきた。発達障害および認知症関連の患者由来のiN細胞およびiMG細胞において特異的な反応特性を見出した。さらに、ヒト血液由来iMG細胞がヒト脳ミクログリア細胞と類似することを見出し、iMG細胞のサロゲート細胞としての有用性を明らかにした。
精神疾患の病態解明研究やその治療法開発が遅れている要因として、直接生きた脳細胞を採取して解析することが技術的にも倫理的にも困難なことが挙げられる。しかるに、脳以外の体細胞から作製可能なiPS細胞への期待が大きいが、iPS細胞では細胞を初期化したり、その時々の状態を反映しないという限界がある。本研究で用いたiN細胞・iMG細胞は採取後2週間で作製可能で、ステイトも反映するため、特に経時的な変化を伴いやすい精神疾患の病態解明の新しいツールとして期待される。本研究でiMG細胞が脳ミクログリア細胞に類似することが分かり、今後、iMG細胞を用いた精神疾患モデル細胞研究と治療法開発の加速が期待される。