動物は、経験に基づき形成された記憶によって行動を様々に変化させる。この記憶が保持される時間は、環境条件などの忘却過程によっても制御されている。このような能動的な記憶の忘却については、実行経路や調節機構がほとんど分かっていない。本研究では、能動的な忘却とその調節に関わる分子・神経回路メカニズムを、とくにその制御機構や「忘却」と「想起できないこと」の違い等に着目して、明らかにすることを目指している。