資源と技法、戦略的重要性において「政治マーケティング」を先導する米国大統領政治の最新事例として、2016年大統領選挙から2020年再選選挙までのDonald Trump第一期政権の特性を、マーケティングの視点と分析枠組みを用いて分析する。選挙と統治におけるマーケティングの戦略的統合機能、ブランディングの観点から見た政権や政策、関係構築の特性、デジタルマーケティング時代の有権者やステークホルダーとの関係構築のための戦略広報の三点に焦点をおき、90年代以降の米国大統領政治とマーケティングがいかに呼応しあうか、また経営戦略技術が公共の政治に及ぼす影響を、現「経営者大統領」の事例で検証する。