物理学の学習経験の乏しい(苦手な)「初心者」と学習経験の豊富な(得意な)「熟達者」の間には、はっきりとした思考パターンの違いがあることが指摘されている。一方、学習者同士が互いに意見を交換しながら構成的に理解を進めるピア・インストラクション(PI)という手法は、有効な方法として注目されているが、学習や議論が手詰まりとなった際の打開策に乏しいという問題点がある。本研究は、反転授業を行い、授業時間中にはPIによる相互作用型授業を行う環境で、「熟達者」的な思考パターンを学習者に模倣させる教材を開発し、それを活用することによって、相互作用型授業での手詰まりを解消することを目指し、その効果を検証する。