本計画は、クロマチンの位相図再構成理論の構築と実データによる検証を主軸として遂行する。とりわけ、クロマチン・フローと名付けた、時間情報の計測指標の開発に注力する。フローを産み出す背後のダイナミクスの定性的情報を代表するような「要点」を取り出し、パッチワークで繋ぎ合わせ、データ点上の流れとして擬似的モデルを作成する。さらに、クロマチンへの摂動が与える細胞・組織レベルの表現型を仮想的に評価できる位相図の構築を行う。解析対象は、マウス骨格筋組織の分化・再生モデルや、がん組織を計画している。