本研究の目的は、明治から大正にかけて創作された作歌作品、中でも、音楽教育の場で歌われることを目的とした作品に焦点をあて、音楽教育における作歌の歴史的意義を問い直すことにある。すでに、500曲以上の作歌作品が判明している犬童球渓の作品分析を中心として、その他、当時の音楽教科書、雑誌、ピース譜に発表された「作歌」について網羅し、その作歌を手掛けた人物や作歌の傾向を分析することで作歌について明らかにしていく。