RNAプロセシングと共役するゲノム転写とその破綻機構の解明

研究課題情報

体系的番号
JP19K24692
助成事業
科学研究費助成事業
資金配分機関情報
日本学術振興会(JSPS)
研究課題/領域番号
19K24692
研究種目
国際共同研究加速基金(帰国発展研究)
配分区分
  • 基金
審査区分/研究分野
  • 生物系
研究機関
  • 九州大学
研究期間 (年度)
2021-03-12 〜 2024-03-31
研究課題ステータス
完了
配分額*注記
55,770,000 円 (直接経費: 42,900,000 円 間接経費: 12,870,000 円)

研究概要

本研究では、細胞核内で起こるRNA polymerase II転写装置とRNAプロセシング装置のクロストークや非コードゲノム転写制御機構の解明を目標としている。大腸がんや腎臓がん細胞を用いて、その異常ゲノム転写-RNAプロセシング制御を解析することにより、基礎的なゲノム転写制御機構とがん細胞増殖や細胞分化の解明に貢献する。以下に具体的に取り組んだ研究内容を記す。(1)がんではTranscriptional addictionと呼ばれる現象が見られ、特定の転写因子が優位となった転写プログラムが確立されることが知られている。本研究では、公共RNA-seq データを再解析し、大腸がんにおける転写関連因子のRNA 発現を調べた結果、転写伸長因子として知られているNegative elongation factor (NELF)の転写産物が大腸がんで有意に高発現していることを明らかにした。さらに、初年度に開発した新生RNA解析法POINTを用いて、NELF 発現抑制時に転写終結破綻が起きていること、その破綻がDNA 複製開始反応の抑制、それに伴う細胞周期の停止が引き起こされることを明らかにした。(2)クロマチン環境と転写産物の相関性はよく調べられているが、クロマチン環境変化がどのように”転写”へ影響するのか、はほとんどわかっていない。本研究では、複数のがんで機能を失っているヒストンメチル基転移酵素遺伝子の(KO)細胞やメチル基転移活性を失った腎臓がん患者由来細胞を用いて、新生RNA解析を行った。その結果、転写終結の破綻が起きていることが明らかになり、その破綻ががんでのDNA損傷オリジンになっていることが示唆された。現在、クロマチン環境をシークエンスや生化学的手法で解析しており、詳細な転写終結機構を分子レベルで明らかにしようとしている。

関連論文

もっと見る

関連研究データ

もっと見る

関連図書・雑誌

もっと見る

関連博士論文

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

関連その他成果物

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

ページトップへ