一塩基置換による単一遺伝子疾患の病態解明は疾患の診断・治療に重要であり、正確な診断が望まれている。しかしアミノ酸変化を伴わない一塩基置換、所謂サイレント変異は表現型に影響がない場合が多いと考えられ、見過ごされる例や病態解明が進んでいない例が多い。サイレント変異では一部tRNAのコドン利用率(Codon usage)の違いにより表現型に影響が出るとの報告があるがその詳細な分子機構は明らかでない。 申請者は肝臓特異的な発現をする遺伝子でサイレント変異が遺伝子疾患と関連することを世界で初めて見出した。本研究ではサイレント変異が如何に表現型に影響を与えるのか新たな分子機序として以下を証明する。