現在認知症や脳萎縮の指標となる簡便で非侵襲的な検査法が求められている。近年SS-OCT(波長掃引式光干渉断層計)の開発により、網膜神経節細胞層厚が非侵襲的に数秒で測定可能となり、網膜神経節細胞層厚が認知症発症を予測し、脳萎縮を反映するバイオマーカーとなる可能性が示唆されている。本研究では、日本人の代表的なサンプル集団である福岡県久山町の疫学研究を用いて、1) 網膜神経節細胞層厚と認知症発症との関連、2) 網膜神経節細胞層厚と脳萎縮部位との関連を明らかにし、認知症における網膜バイオマーカーの有用性を検証することを目的とする。