重症心身障害児(者)の家族に対する成年後見申立ての支援―成年後見制度の利用が将来見込まれる重度・重複障害児の保護者に対する支援の示唆―
抄録
重症心身障害児(者)の家族78名に対する成年後見集団申立ての経過から、彼らが後見制度を利用する場合の支援のあり方について検討した。その結果、集団申立てを行う施設と関係諸機関との連携により、短期間に62名の後見人が選任されたものの、60歳以上の高齢の親が33名含まれていた。近い将来、親の逝去や意思能力の低下により後見人の職務を果たすことが不可能となる場合が想定されるため、重症児(者)の兄弟や民間機関などの第三者後見人を加えた複数後見の利用に向けた支援が早急に必要であることが示唆された。また、家族のなかには重症児{者)らの施設入所の継続を可能とするためだけに今回の集団申立てに参加した者も含まれている可能性があり、後見制度と後見人の職務について改めて家族に啓発を行う必要があることも示唆された。これらを踏まえ、重度・重複障害児が学校を卒業して2年後に成人を迎えることを考慮した場合、彼らの保護者に対し学校在学中から後見制度と後見人の職務について啓発を行う必要があることを指摘した。
収録刊行物
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- 宮城教育大学特別支援教育総合研究センター研究紀要
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宮城教育大学特別支援教育総合研究センター研究紀要 (2), 38-48, 2007-03
宮城教育大学特別支援教育総合研究センター
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050001337594452224
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- NII論文ID
- 120006399883
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles